たーたん(西炯子)あらすじネタバレ試し読み!

「たーたん」(西炯子)5話

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第五話

 

「風が気持ちいいなあ。5月だからなあ。」

 

敦がほっこりしている。

 

「そうだねえ。」

 

鈴も答える。

 

なんだかんだ言っても仲の良い親子である。

 

「今日の晩ごはん何食べる?」

 

「え〜〜〜カレーかな〜〜」

 

そうは言っても鈴の作るものだったら敦はなんでもよいのだろう。

 

「肉、何にする?」

 

「豚かなあ。」

 

「そうだねぇ。こないだはチキンにしたからね。サラダ山盛りしようかねぇ。」

 

「いいよ野菜は。カレーだけで。」

 

「んなこと言ってっから腹が出るんだよ。」

 

「うるさいな放っとけよ。」

 

・・・

 

「たーたん、再婚しないでしょうね?」

 

敦は思わず自転車から転げ落ちる。

 

相変わらず鈴の一言に翻弄されすぎな父である。

 

「・・3日前の話を今蒸し返すのかよ!?」

 

「確認?んじゃね、今日もしっかり働くんだよ。女の人にフラフラしてちゃダメだかんね。」

 

父親にそう言いつけて、鈴はさっさと学校に行ってしまった。

 

(むうううううん、たすけろよ・・・)

 

しかし敦の事情はちょっと違う。

 

(再婚どころか、俺は結婚したこともありません。)

 

 

俺は、鈴に話さなければならないことがあります。

 

それは・・・

 

「おまえの実の父親は15年の刑期で刑務所に入ってる。つまり・・・来年出所するんだよ。」

 

思わず声に出してみたものの、肝心の鈴には届かない。

 

(それが言えないまま15年・・・でも、もうこのままではいられない。本当のことを言わなければならないんです・・・が。)

 

 

「吉川さん、先生が呼んでるよ。」

 

相変わらずぼっちでいる吉川に原田が声をかけた。

 

そのあと職員室の前でたたずむ吉川に鈴が気が付く。

 

「どしたの吉川さん、昼休みだよ。」

 

「先生が呼んでるって・・・でも今いなくて。」

 

休み時間が終わっても職員室の前で待ち続ける吉川。

 

鈴が一緒に職員室に行くと先生は用事で区役所に行って不在とのことだった。

 

「・・・・原田さんか・・・・」

 

「い、いいんだよ、上田さん・・・なれてるしこういうの・・・」

 

原田のいやがらせだったようだ。

 

「なれてちゃダメだよ、こんなこと。仕返ししなよ!」

 

強気な鈴は原田のやり口にイラっときた。

 

「いいんだよ、大丈夫・・・」

 

弱気な吉川はそんなこと考えつきもしない。

 

「じゃ私が代わりにパキッと。」

 

「・・・私といると上田さん・・・いじめられるんじゃ・・・」

 

「あーないない。私やられたら三倍にして返す方だから。」

 

鈴はさらっと言ってのけた。

 

「上田さんのそういうとこ、ひょっとして亡くなったお母さんに似てるのかな・・・?」

 

「え?」

 

「だってお父さんおとなしいし・・・」

 

「お母さんのことってよく知らないんだよね。聞いてもたーたんあんまり話してくれないしさ・・・」

 

「"なれそめ"みたいなこと?」

 

「"なれそめ"って何?」

 

「えっと・・・どうやって出会ったか、とかのこと?」

 

鈴はハタと気が付く。

 

「聞いたことないな・・・」

 

そして鈴は敦に"なれそめ"について追求し、敦を困らせるのだった。

 

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