たーたん(西炯子)あらすじネタバレ試し読み!

「たーたん」(西炯子)4話

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第四話

 

「忘れ物、忘れ物・・・」

 

朝、家を出た鈴が図書館の本を取りに戻った。

 

本を手に扉を開けようとして立ち止まる。

 

「・・・・たーたん、今私の借りた本読んでたでしょ。」

 

「・・・てかおまえ!「世界のエロいジョーク」とか、借りて来てんじゃないよ!」

 

「伏せて置いたおぼえないもの。まあ〜朝からこんなとこ読んでたの?やあね〜」

 

鈴に敦の怒りはどこ吹く風。

 

逆に敦が言い訳する羽目になる。

 

「や、娘が何に関心を持っているのかと・・・」

 

「朝からエロ読んでて遅刻とかしたらかっこわるいかんね。ちゃんと会社行くんだよ!」

 

説教するつもりが逆に説教されて、敦はまたしても敗北を喫してしまった。

 

鈴にはかなわない。

 

学校では吉川がノートに何か書き込んでいた。楽しそうだ。

 

「な〜〜〜に書〜〜いて〜〜んの?」

 

鈴が近づいて行ったが吉川は恥ずかしそうにごまかした。

 

「な・・・なんでもないよ。」

 

「いいじゃん見せてよ。あっ、もしかして小説?」

 

「み・・・見せるようなものじゃないから・・・」

 

「ん、わかった。じゃ見せるようなもんになったら見せてね。」

 

「・・・きのうありがとう。上田さんち誘ってくれて・・・」

 

「またおいでよ。一緒にご飯食べよ。」

 

「・・・うん・・・上田さんちお母さんいないんだね。」

 

「うん、私が生まれてすぐ病気で死んじゃったんだ。」

 

「そうなんだ・・・でも、いいね。あんなお父さんがいて。」

 

「え、どこがいいのあんな親父の。」

 

「殴ったりしなさそう。」

 

「えっ、そんなとこからの評価!?」

 

吉川が男性を判断する思わぬ基準に鈴は驚いた。

 

「・・・私の父親・・・すぐ暴力ふるう人なだよね・・・それがガマンできなくて逃げてきたから・・・人を殴らないってだけですばらしいお父さんだと思うよ。」

 

「すばらしいの基準低すぎだよ吉川さん・・・」

 

「すごいよね。男の人ひとりで上田さんのこと育てたんだ・・・再婚の話とかはなかったのかなあ?」

 

「え。」

 

思ってもみないことだった。

 

鈴は少し考えてはみたものの・・・

 

「や〜〜〜なかったでしょ!てゆーかあるわけないよそんなん。」

 

「どうして?」

 

「だってアレだよ?イケメンでもないしお金持ちでもないし最近ハラも出てきたし…女にモテる要素いっこもないじゃん。」

 

「わかんないよ」

 

「え?」

 

「男の人ってね、わかんないよ。」

 

そう悟ったように言われると、鈴は気になってきてしまった。

 

この後鈴は敦の仕事の一日をコッソリ付いて行ってみることにする。

 

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